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斎藤 公明; 永井 晴康; 木名瀬 栄; 武宮 博
日本原子力学会誌ATOMO, 59(6), p.40 - 44, 2017/06
福島の環境回復に関してまとめた連載記事の一つである。福島第一原子力発電所事故の進展と放射線物質の放出・大気拡散・沈着過程の解明が、シミュレーションおよび環境測定データの解析により進められている。大規模環境調査により福島周辺における放射線環境の経時変化等の特徴が明らかになりつつあり、この知見に基づいて空間線量率の分布状況変化モデルが開発され将来予測に活用されてきた。事故後に測定された種々の環境測定データは集約され、データベースを通して簡単な解析ツールとともに継続的に公開されている。これら一連の取り組みについて概説している。
小嵐 淳*; 飯田 孝夫*; 安藤 麻里子; 山澤 弘実; 天野 光
Fusion Science and Technology, 41(3), p.464 - 469, 2002/05
環境中に放出されたトリチウムの影響を評価するためのモデル構築の一環として、地表面に近い不飽和土壌中でのHTO輸送モデルの開発と、モデル検証のためのトリチウム水を模擬した重水を用いた土壌カラム実験を行った。モデルには、土壌水分についてRichardsの式とVan Genuchtenタイプの土壌水分特性曲線の組み合わせを用い、HTO輸送については移流拡散方程式を用いた。実験では、重水を添加した水盤上に砂質土壌を均質に詰めた0.5m高のカラムを設置し、一定時間後の土壌中の重水濃度と堆積含水率の分布を測定した。実験で得られた土壌中での重水の拡散係数及び分散係数と、実験で得られた濃度分布とモデル計算結果の比較によるモデル検証結果について議論する。
富居 博行; 清木 義弘
デコミッショニング技報, 0(15), p.24 - 34, 1996/12
解体実地試験の放射線管理では、作業者の放射線防護とともに、将来の原子炉解体に必要となるデータを取得するため、日常モニタリングと切断で発生するエアロゾルの調査を目的とした特殊モニタリングを行った。本報告は、解体実地試験において集団線量当量が95%を占めた原子炉格納容器内解体作業における放射線管理データから、解体工法と集団線量との関連を解析した結果及び、切断で発生したエアロゾルの粒度分布や飛散率等の評価結果を示したものである。加えて、これらの評価・解析結果から、放射線管理面から見た原子炉解体における知見を述べる。
池沢 芳夫
エアロゾル研究, 5(3), p.212 - 216, 1990/00
原子炉解体では、発生する放射性エアロゾルの吸入による被爆を防止するために、切断作業にともなって発生する放射性物質の空気中への飛散率、飛散粒子の粒度分布、汚染防止囲いからの漏洩率などのパラメータの値を知る必要があり、これらのデータに基づいて、適切な呼吸保護具や汚染防止囲いを選択する必要がある。本報では、エアロゾルに関して、その発生からみた原子炉解体作業の特徴、測定評価法、吸入による被爆評価に必要な、空気中への飛散率、粒度分布などについて、JPDRの解体経験をふまえて述べたものである。